ヒューマンエラー

人はなぜミスをするのか|ヒューマンエラーの原因をわかりやすく解説

ヒューマンエラーを説明
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人はなぜミスをするのか。

仕事や日常生活の中で、「確認したはずなのにミスをしてしまった」という経験はないでしょうか。

例えば、鍵を持ったつもりだったのに家に忘れてしまったり、書類を確認したのに数字を間違えてしまったりすることは、多くの人が経験しています。

このようなミスは、単なる不注意や個人の能力の問題として片付けられることが多いですが、実はそうではありません。人間の行動や心理には共通した特徴があり、その特性(ヒューマンファクター)によってミスが起きることがあります。

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このような「人間の特性によって起きるミス」を、一般的にヒューマンエラーと呼びます。

この記事では、ヒューマンエラーとは何か、そしてなぜ人はミスをしてしまうのかについて、できるだけわかりやすく解説します。

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ヒューマンエラーとは

ヒューマンエラーとは、簡単に言えば人間の行動や判断によって起きるミスのことです。

ここで重要なのは、ヒューマンエラーは「特別な人が起こすミス」ではないという点です。むしろ、人間であれば誰でも起こしてしまう可能性があります。

例えば次のようなものも、ヒューマンエラーの一例です。

  • 確認したはずなのに見落としてしまう
  • 持ったつもりで忘れ物をしてしまう
  • 思い込みで作業を進めてしまう
  • 急いでいるときに判断を間違える

これらは能力が低いから起きるわけではなく、人間の注意力や記憶、判断の仕組みによって自然に起こり得るものです。

そのため、安全が重視される多くの分野では、「人は必ずミスをする」という前提で対策が考えられています。

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なぜ人はミスをしてしまうのか

では、なぜ人はヒューマンエラーを起こしてしまうのでしょうか。

その大きな理由の一つは、人間の注意力には限界があるということです。

私たちは普段、同時に多くの情報を処理しながら生活しています。仕事をしながら周囲の状況を確認したり、時間を気にしたり、次の予定を考えたりしています。このように複数のことを同時に考えていると、どうしても注意が分散してしまいます。

その結果、本来確認するべきことを見落としてしまったり、重要な情報に気づかなかったりすることがあります。

また、人間は経験や記憶をもとに物事を判断する傾向があります。これは普段の生活では効率的ですが、ときには思い込みにつながることもあります。

例えば、「いつも通りの作業だから大丈夫だろう」と思って確認を省略してしまったり、「たぶんこうだろう」と判断してしまうことがあります。このような思い込みも、ヒューマンエラーの大きな原因の一つです。

ヒューマンエラーのよくある例

ヒューマンエラーにはさまざまな形がありますが、日常生活でもよく見られるものがあります。

代表的なものの一つが確認ミスです。

書類をチェックしたはずなのに間違いを見落としてしまったり、作業手順を確認したつもりでも勘違いしてしまうことがあります。

また、忘れ物もヒューマンエラーの典型例です。

家を出るときにスマートフォンや鍵を持ったつもりだったのに、実際には持っていなかったという経験は多くの人にあると思います。

さらに、慣れによる油断もミスの原因になります。

同じ作業を何度も繰り返していると、「いつも通りだから大丈夫だろう」と考えてしまい、確認を省略したり注意が散漫になったりすることがあります。

このように、ヒューマンエラーは特別な状況で起きるものではなく、日常の中でも自然に起きる可能性があります。

ミスを防ぐための考え方

ヒューマンエラーを完全になくすことは難しいと言われています。なぜなら、人間の能力にはどうしても限界があるからです。

しかし、ミスを減らすことは可能です。そのためには、「ミスをしない人になる」ことを目指すのではなく、ミスが起きても事故につながらない仕組みを作ることが重要です。

例えば次のような方法があります。

  • チェックリストを使って確認する
  • 声に出して確認する
  • 作業手順を見える形にする
  • 一人ではなく複数人で確認する

このように、個人の注意力だけに頼らず、仕組みや習慣でミスを防ぐことが効果的です。

多くの安全性が求められる現場では、このような考え方をもとにさまざまな対策が行われています。

まとめ

ヒューマンエラーとは、人間の行動や判断によって起きるミスのことです。

そして重要なのは、ヒューマンエラーは誰にでも起こり得るという点です。

人間の注意力や記憶には限界があり、思い込みや慣れによって判断を誤ることもあります。そのため、ミスを完全になくすことは難しいと言われています。

しかし、ミスが起きる仕組みを理解することで、事故につながるリスクを減らすことは可能です。チェックリストや確認の仕組みを取り入れるなど、ミスを前提とした対策を考えることが大切です。

今後の記事では、確認ミスや思い込み、ヒューマンエラーの具体的な原因、ヒューマンファクター、根本原因分析及び対策についても、なるべく詳しく解説していきたいと思います。

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高リスク環境下における安全管理やヒューマンファクターに関する知見をもとに執筆しています。
高い安全性が求められる現場での実務経験をもとに、「ヒューマンエラー」や「事故の仕組み」をわかりやすく解説しています。 海上自衛隊にて回転翼機の運航に10年以上従事し、現在は民間にて防災ヘリ操縦士として救助活動等に携わっています。 これまで多くの事例や事故に触れる中で、「そもそも安全とは何か」という問いに強い関心を持つようになりました。 現場では、人のミスを個人の問題として扱うのではなく、 「なぜそのミスが起きたのか」 「どうすれば防げるのか」 という視点で、安全対策や再発防止に向き合ってきました。 このブログでは、そうした現場経験と学びをもとに、日常生活や仕事の中で役立つミスを防ぐための知識と安全の考え方を発信しています。
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