くらしの安全研究室
ヒューマンエラー

ヒューマンエラー対策の本質|人ではなく環境を変える

safety-life-room@outlook.jp

ヒューマンエラー対策というと、

  • 注意する
  • 意識を高める
  • 確認を徹底する

といった「人」に対する対策がよく挙げられます。

しかし、人は

  • 注意力に限界があり
  • 思い込みをし
  • 疲労や環境の影響を受ける

存在です。(他にもたくさんありますが、詳しくは今後のヒューマンファクターの記事で解説します)

あわせて読みたい
人間の身体的特性と安全の関係|ヒューマンファクター
人間の身体的特性と安全の関係|ヒューマンファクター
あわせて読みたい
認知的特性とヒューマンエラーの関係|ヒューマンファクター
認知的特性とヒューマンエラーの関係|ヒューマンファクター
あわせて読みたい
集団的特性で起きるヒューマンエラー|ヒューマンファクター
集団的特性で起きるヒューマンエラー|ヒューマンファクター

つまり、

人の特性そのものを変えることはできません。

あわせて読みたい
ヒューマンファクターとは|人の特性からヒューマンエラーを理解する
ヒューマンファクターとは|人の特性からヒューマンエラーを理解する

では、ヒューマンエラーを防ぐためには、どうすればよいのでしょうか。

人を変える対策の限界

「もっと注意しよう」という対策は、一見正しく見えます。

しかし実際には、

  • 一時的にしか効果がない
  • 個人差が大きい
  • 再発を防げない

といった問題があります。

なぜなら、これは

人の能力や意識に依存した対策だからです。

人に依存する対策は、その人の状態によって結果が変わってしまいます。

対策の本質は「環境を変えること」

ヒューマンエラー対策の本質は、

人を変えるのではなく、人を取り巻く環境を変えることです。

ここでいう環境とは、

  • マニュアル
  • 仕組み(チェックリストなど)
  • 作業手順
  • システム
  • 作業環境(音・光・配置)

などを指します。

あわせて読みたい
環境要因とは|なぜ環境がヒューマンエラーを引き起こすのか
環境要因とは|なぜ環境がヒューマンエラーを引き起こすのか

なぜ環境を変えるのか

理由はシンプルです。

人の行動は環境によって変わるからです。

これは前回のレヴィンのモデル

B = f(P, E)

の通りです。

人(P)が同じでも、環境(E)が変われば、行動(B)は変わります。

あわせて読みたい
ヒューマンエラーとは|メカニズムからわかりやすく解説
ヒューマンエラーとは|メカニズムからわかりやすく解説

具体例で考える

例えば、「確認ミス」を減らしたい場合。

❌ 人に頼る対策

  • 「しっかり確認する」
  • 「注意する」

→ 効果は不安定

⭕ 環境を変える対策

  • チェックリストを導入する
  • 確認箇所を見える化する
  • 手順を固定する

→ 誰がやっても同じ結果になりやすい

そしてもう一つ重要なことが、人がミスしやすいところを理解し、それをシステムでカバーするということです。

人がシステムに順応するのではなく、システムを人に順応させることが大事です。

良い環境の条件

では、「良い環境」とはどのようなものでしょうか。

ポイントは3つです。

① ミスしにくい

  • 自然と正しい行動ができる
  • 間違いに気づきやすい

② ミスしても気づける

  • チェック機能がある
  • 異常が見える

③ ミスしても大きな問題にならない

  • フェイルセーフ
  • 二重の防護

環境設計という考え方

ここで重要なのが、

環境を“設計する”という考え方です。

ヒューマンエラーは偶然ではなく、

  • 起きやすい環境
  • 起きにくい環境

が存在します。

つまり、

ミスは設計できるとも言えます。

ヒューマンエラー対策のまとめ

ヒューマンエラー対策の本質は、

人を変えるのではなく、環境を変えること

です。

  • 人の特性は変えられない
  • だから環境を人に合わせる
  • その結果としてミスが減る

この順番で考えることが重要です。

では、実際に環境をどのように整えればよいのでしょうか。

最も手軽で効果的なのが、

チェックリストの活用です。

チェックリストは、

  • 人の弱点を補い
  • 行動を安定させる
  • ミスを減らす

ためのシンプルな仕組みです。

ぜひ、試してみてください。

あわせて読みたい
安全とは|安全の本当の意味をわかりやすく解説
安全とは|安全の本当の意味をわかりやすく解説
ABOUT ME
安全研究室長
安全研究室長
安全の考え方をわかりやすく伝える人
ヒューマンエラーや事故の仕組みなど、「人と安全」に関するテーマを中心に記事を書いています。高い安全性が求められる現場で培われてきた安全の考え方を参考に、日常生活や仕事の中で起きるミスの原因を理解し、事故を防ぐための考え方を紹介しています。
記事URLをコピーしました